Guitar Rarities Vol. 2 07

続き、最終回です
21 Funny, Funny, Funny, What a Dime Can Do
22 You're Gonna Get My Letter in the Morning
23 No Moon at All Osborne
ラストを飾る3曲は、メアリー・オズボーンによる歌とギターの演奏です
これらは1947年に録音されたもので、他とはうって変わって陽気な内容となっています
歌とエレキソロはメアリー・オズボーンで、クリスチャンのようなグッとくる演奏を聴かせてくれます。リズムはHy White、少しマイナーな知名度ですがビッグバンドでも活躍する、心地よいヨツギリを奏でます
ここでブックレットの抜粋解説
メアリー・オズボーンは1921年ノースダコタで、音楽一家のもとに生まれました
彼女はまずウクレレに取りかかりギターに転向。チャーリー・クリスチャンの演奏を聞きエレキギターを持つようになりました
1940年までに、彼女はピッツバーグのラジオ放送局で働いており、一連のオーケストラで演奏した後、1年後にジョー・ヴェヌーティによ雇われました。メアリー・ルー・ウィリアムズ、コールマン・ホーキンス、有名なジャズマンと競演し、1945年にニューヨークシティーに定住しました
これらの楽曲はジャズというよりも、50’sポップスに近いかもしれません。ギターは少しだけですが、ファンはもっと聞きたくなるような素晴らしいソロです
ファンからすれば違うと言われる、かもしれませんがペギー・リーやジューン・クリスティがビッグバンドのフロントで歌っていたような雰囲気を、小編成で演奏しているような感じです
このアルバムはVo1に比べるとバラエティに富んだ内容になっていて、マニアックなギターファン以外にもオススメできる内容です。時系列でギターの歩みを知ることも可能です
抜粋翻訳はなかなか大変でした。この後しばらくは通常のレビューをしたいと思います
廃盤になりつつあるかもしれないこのアルバム、根気よく探してみてください
◎パイオニアジャズギター物が好きなのに、このアルバムは持っていない
◎四つ刻みのリズムギターが好きと言っているのに、このアルバムは持っていないモグリだ
◎アラン・リュースについて、もっと音源を求めている
◎ギターデュオの歴史に触れたい
◎ギターのマニアックな部分の深みにハマりたい
◎ジョン・カリって、トニー・ガットゥーソの義理の父ってほんまかいな!?
という方にオススメします
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Guitar Rarities Vol. 2 06

続きです
クレスとマクドノウのデュオについて解説しています
Yazooのパイオニアオブジャズギターにも入っている18 Stage Fright
そのデュオ曲の音楽性は素晴らしいと書いています
1933年のギター・カタログはクレスについて「Stage Frightから見てクレスが優れたアーティストであり、作曲家であることは明白だ。」とあります
クレスのベースメロディとマクドノウのメロディが調和されてスウィングデュオの金字塔といえる楽曲です。
中盤の哀愁の漂うメロディはジャズ・アコーディオン奏者ジョー・ムーニーによってカバーされ、ラジオの終了テーマに使われたとあります
パイオニアジャズもののアルバムでは比較的入っていることの多いこの曲ですが、アルバムコンセプトからすれば外せないといったところでしょうか
19 Swoon of a Goon 20 G Minor Spinこれらを録音した時、シカゴ出身のジョージ・バーンズは21歳。若くして、バーンズは成功を手にしました
ジミー・マクパートランドのバンド。ブルース歌手との録音。「プランテーション・パーティー」ラジオ・ショーでの演奏。NBCラジオ・スタッフミュージシャンとして
バーンズは参加したジミー・ヌーンのバンドの、サキソホン奏者とクラリネット奏者からのメロディのインスピレーションを引き出したとあります
19 Swoon of a Goon
オクターブでのメロディユニゾンでユニークなデュオ
20 G Minor Spin
名前の通りマイナー調でのギターデュオ曲。2曲とも他とは違いエレキギターデュオです
これらはスウィング的な要素は少ないのですが、バーンズがアドリブとインプロヴィゼーションの間を行く、先進的な楽曲を生み出した、とあります
パートナーErine Varnerはさほど有名ではありません、これ以外にははTedFio Ritoオーケストラに所属していた。とあります
Stage Frightはジャズなどの域を超えてひとつの小作品ですね。バーンズのエレキデュオはエレキの特性を生かした作品だと思います。これを聞けばパイオニアジャズギターデュオの歴史を一気に駆け上った気がします
あとは最後、紅一点のメアリー・オズボーンの解説のみ
このアルバムを片手にしばしお待ちください
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Guitar Rarities Vol. 2 05

前回からの続きです
ジョン・カリとトニー・ガットゥーゾとのデュオ
9A Study in Brown
10Swinging Guitars
この曲はビッグバンドで数々の作曲をしたラリー・クリントンによって書かれました。
このギターデュオは素晴らしい、スウィングギターデュオの見本です。
おそらくギブソンL5を使用しているのでは?と書かれています。
パイオニアジャズギターデュオのお手本!といった完璧な演奏です。オブリを入れたバッキングやウォーキングベース、コードバッキングなど驚きの連続です。
ライナーにも、カリとガットゥーゾは恐ろしいほどのコンビネーションだ。とあります。
13Nagasakiルディー・ヴァリーオーケストラが1928年から1942年までの間に何百ものカットされた中から、ボーカルなしで作られたのは2曲だけがありました。これはそのうちの1曲です。フランク・スタッファはこのアルバムで1曲だけの登場ですが随所にギターの見せ所がある曲です。
14 Oh, Lady Be Good
15 Liza
16 Japanese Sandman
ホワイトマンが楽団の上でガットゥーゾが単音を取り、アート・ライアーソンがバッキングするという贅沢な曲です。ソロも、ヨツギリも完璧なリズムです、ライナーではこの日は本当はアラン・リュースが弾く予定だったのでは。と書いてあります。
17 Raggin' the Scale
ピアノソロとして1915年の発表され、ここではホワイトマン・ストリングスでアレンジされています。
18 Stage Fright
パイオニアオブジャズギターのアルバムでご存知の方も多いとは思いますが、伝説的ギターデュオ。2人の巨匠カール・クレスとディック・マクドノウです
30年代のジャズ・ギターは、Damzon、Chicken a la Swing、Heat Wave、I know that you knowなしでは語られない。とライナーにあります。
クレスとマクドナーは19-20年代にバンジョー奏者として活動しました。
2人ともエディ・ラングに影響を受けギターを始めます。クレスは20年代、ベース音の範囲を広げるため、低い方からBb-F-C-G-A-Dとしました。
その音色は、レッド・ニコルス(ドーシブラザーズ、ポール・ホワイトマン、ナット・シルクレット、ドナルド・ヴォールヒーズ、フランキー・トランバウアー)のような有名なリーダーのオーケストラで特色とされました。
30年代初期、クレスとマクドノウはラジオ・ギタリストの中で最も忙しい人物でした。
彼らは互いの能力を賞賛し、マクドナーがソロをとり、クレスがリズム、ソロをとるというデュオ・ギター・レパートリーを開発しました。
後もう少し!がんばります
その6へと続く
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Guitar Rarities Vol. 2 03

ライナー抜粋その2
抜粋した内容を掲載します
このアルバムでは4曲目 Violettaや、ホワイトマンの7曲目 The Toy Trumpetのように、ジャズ的な要素は少なく、ビッグバンドの普及した30年代というのはギターがソロを取るのは難しいことでした
これらが多く録音された理由は楽譜販売のためではないか?と筆者は推測しています
ビッグバンドジャズが勢いを増し、ギタリストがソロを取る機会は減っていきました
しかし、ベニー・グッドマン楽団でのアラン・リュースの演奏や、フランキー・トランバウアー楽団でのカール・クレスによる「スワンダフル」での32小節のソロは例外といえます
そのような時代背景の中、このアルバムでのギタリスト達による巧みなアンサンブルの中の創造性のあるアプローチや美しく調和されたメロディに感銘を受けます
スウィートジョージアブラウンはリズムギターが2本、フロントがギターとティプレによる演奏です
ここではフランスのグラッペリとジャンゴの五重奏のスウィートジョージアブラウンと、このアルバムの英国のギターとティプレによる五重奏を比較しています
そしてGuitar Rarities vol1にも登場するアイヴォ・マイランツがこの時代に英国のダンスバンドでひっぱりダコで、ハリスはマイランツをベストギタリストとして賞賛しています
初見ですが、このアレンジはダニエル・リコールと歌手のレオ・ワトソンのメロディを示唆している、とあります
スィンギンザストリングス
これはハリスのオリジナルで、ここではティプレの他にチェレスタという鍵盤楽器も演奏します
アコーディオン奏者として生活をしていたと言うこともあり、問題なく演奏できたということが書かれています
まだまだ続きます
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Guitar Rarities Vol. 2 02

翻訳もぼちぼちですがとりあえず曲解説より始めます、一曲目にはスゥィートジョージアブラウン
ジャンゴなどのマヌーシュジャズやウェスタンなどでもよく演奏されるスタンダード
これをアルバート・ハリス、イヴォ・マイランツ、その他2名ギタリストの4ギターで繰り広げられ
なかなかこういったアーリージャズギターものにスタンダード曲を扱うのはないので新鮮です
正確にはここでのアルバートハリスはティプレという、ギターより高音が特徴的な復元楽器を使っています、次にソロをとるのはクレジット上マイランツでしょうか?マクドノウなどの影響を感じさせるリフを盛り込んでいます
ジョージ・エリオットとジョーヤングというあまり知らないギタリストのヨツギリも良い感じのスウィングです
2曲目スウィンギンオンザスケールもこの4名。循環系の曲でアコースティックソロバリバリです
構成もいくつかからなり、楽器はギター以外にもチェレスタなども挿入されています、ちなみにこのチェレスタはアルバート・ハリスが演奏しています
3 Hittin' on All Six Cali, Gattuso
4 Violetta Cali, Gattuso
このアルバムの主役といっても過言ではない、トニー・ガットゥーソとジョン・カリのデュオ
この曲はパイオニアのラングとロニー・ジョンソンのギターデュオを進化させ、よりジャズギターデュオにした形になっています。アコースティックジャズギターデュオの真髄はここにあるのではないでしょうか
次はスパニッシュやメキシカンを感じさせるトラディショナル風の楽曲。インプロビゼーションよりも構成を重視し、時間制限の中録音されたんだなというイメージがわきます
5 A Pretty Girl Is Like a Melody Whiteman
6 Soft Lights and Sweet Music Whiteman
7 The Toy Trumpet Whiteman
8 Minuet in Jazz Whiteman
はアラン・リュースをフィーチャーした、ポールホワイトマン楽団での演奏
映画キングオブジャズでも有名なクラシックとジャズの融合した大所帯の楽団でメロディーをとるリュースのギターは完璧。
この4曲すべてのギターは聞きどころ満載です
ギター2本で伴奏のヨツギリは先ほどのトニー・ガットゥーソ
ここらの曲もライナーに載っていますので、後に掲載します
その3に続く
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